食中毒といえば、ノロウィルス、サルモネラ菌などを思い浮かべるのは私だけでしょうか?
A型肝炎ウィルスとは、あまり聞きなじみがないかもしれませんが、渡航帰りに持ち帰られて、感染するというケースは今でもあるようです。
今回は、「食中毒の症状」シリーズ第14弾として、A型肝炎ウィルスについてまとめました。
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A型肝炎ウィルスとは?
A型肝炎ウイルスに感染するとA型肝炎による急性肝炎をひきおこします。
A型肝炎ウイルスの特徴として、
- 酸に強い
- アルコールに強い
- 熱に弱い
があります。
食べ物や水などによる経口感染が主な感染ルートで、食品の中で増殖することはありません。
肝炎ウイルスには、A型からE型の5種類があるのですが、「A型肝炎ウイルスによる肝炎」の場合、「B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスによる肝炎」のように、慢性化するものではなく、1度感染すると、免疫ができ、その後感染することはないとされております。
A型肝炎ウィルスによる食中毒の原因となる食べ物は?
A型肝炎ウイルスに汚染された食品、水などが原因ということで、さまざまな食品が原因となる可能性があり、感染源は特定されておりませんが、これまでの事例としては、
- 井戸水
- 牡蠣などの二枚貝
- にぎり寿司
- 魚介類
- レタス
などがありましたが、日本国内においての、A型肝炎ウイルスは、流行地域への海外旅行などから持ち帰ったケースが多いようです。
A型肝炎ウィルスによる食中毒をおこした時の症状
潜伏期間
約2週間(14日)~7週間(49日間)
症状
子供
子供の場合感染しても、8割以上がほとんど症状がでないか、軽く済みます。発症した場合の症状は、
- 発熱
- 黄だん(軽度)
など
大人
大人の場合感染すると、約9割の人が発症します。症状は、
- 発熱(38℃以上の高熱)
- 倦怠感
- 頭痛
- 筋肉痛
- 腹痛
- 下痢
- 黄疸
- 食欲不振
- 黒色尿
- 白色便
- 劇症肝炎(まれに)
- 急性腎不全(まれに)
など
完治までには1か月~2か月かかります。
治療法
A型肝炎に対しての特別な治療法はなく、対症療法が基本となります。
急性期には入院し、安静を保ち自然治癒していくのを待ちます。
食欲がない場合は点滴治療などが行われます。
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A型肝炎ウィルスによる食中毒の予防法
1.トイレの後、調理前、食事前には手洗いと消毒をする
※アルコールに強いウィルスなので、塩素系ハイターなどの「次亜塩素酸ナトリウム」で消毒する。
2.井戸水や生水は飲まない
3.二枚貝(牡蠣など)は加熱して食べる(85℃で1分間以上加熱)
4.海外では生水を飲まない、氷なども気をつける(アイスキャンディーなど)
A型肝炎ウィルスの流行地域とはどこ?
A型肝炎ウイルスは世界中にみられますが、平成18(2006)~平成20(2008)年までの報告では特に、インド、フィリピン、インドネシア、パキスタン、タイ、カンボジア、ネパール、マレーシア、中国、韓国、アフリカ、中南米、ヨーロッパの国々などが流行地域としてあげられております。
A型肝炎の予防接種があります
A型肝炎の予防接種は16歳以上が受けられます。全部で3回接種します。
・2~4週間の間で2回接種する
・1回目の接種から24週を経過してから、もう1回追加で接種する
副反応は?
約6%の人に軽度な副反応があらわれるといわれております。
- 発熱
- じんましん
- 注射した部分の痛み、腫れ、赤み
- 倦怠感
- 頭痛
- 下痢
- 筋肉痛
などがありますが、今のところ重篤な副反応がでたという報告はないようです。
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