水疱瘡(みずぼうそう)にはかかったことがありますか?
水疱瘡は感染力が非常に強く、子供が幼稚園や学校からもらってくる代表的な病気ですが、予防接種を受けておくと、かかっても軽く済むという一面があります。
しかしながら、予防接種を受けたときに必ず考えなくてはならないのが、「副反応」ですね。いわゆる副作用というリスクですが、どんなものがあるのでしょうか?
今回は、水疱瘡についてや、予防接種の副反応についてまとめました。
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水疱瘡とは?
水疱瘡(みずぼうそう)は、「水痘・帯状疱疹ウィルス」によって感染します。
水疱瘡に一度かかると免疫ができるのですが、体内にウィルスが一生涯潜伏し続けて、大人になってから、体力が落ちた時や、免疫力の弱った時に「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」として再びあらわれることがあります。
(帯状疱疹の症状)
体の左右どちらか片方の神経に沿って、帯状に発疹があらわれます。
できやすい部位は、額、背中、胸、お腹、腰、足などです。
皮膚に発疹が出る数日前から痛みだし、赤いぶつぶつがでたあとに、水ぶくれができ、2週間~3週間くらいかけて徐々に治まっていきます。
また、水疱瘡にかかったことがない子供が、帯状疱疹を発症している人と接触すると水疱瘡にかかってしまうことがあります。
水疱瘡の流行時期と潜伏期間
(流行時期)
12月~5月(冬から春先)
(潜伏期間)
10日~3週間
(症状)
1.発熱
37℃~38℃の熱がでて、食欲が低下する。
2.発疹・水ぶくれ
小さい赤いぶつぶつ(発疹)がお腹や顔にぽつぽつとあらわれたと思ったら、数時間から1日後には水ぶくれになっていき体全体に広がります。
この期間が一番かゆみが強くでます。
3.かさぶた
黒いかさぶたになり、やがてはがれおちます。
(かかりやすい年齢)
4歳~5歳までの乳幼児期がもっともかかりやすく、90%以上の人が10歳までにかかるといわれております。
保育園に通っている0歳のお子さんの場合は、予防接種を受ける前にかかってしまうケースもあるようです。(予防接種は1歳から受けられます)
水疱瘡の予防接種について
1歳~2歳(3歳の誕生日の前日まで)
2回まで無料で予防接種を受けられます。
3歳以上
自費になるので、病院にもよりますが1回約¥6000~¥8000くらいになります。
*2016年現在(2014年10月1日~)
無料で受けられる2歳までに受けておくことをおすすめします。
完治までの期間
予防接種を受けていて水疱瘡にかかった場合
4日間~7日間くらい
予防接種を受けていなくて水疱瘡にかかった場合
7日間~10日間くらい
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水疱瘡の予防接種の副反応と注意点は?
水疱瘡の予防接種の副反応はほとんどないといわれておりますが、まれに、
「予防接種の接種直後から翌日まで」のあいだに
- 発疹
- じんましん
- 紅斑
- かゆみ
- 発熱
などがおこることがあります。また、
「予防接種の接種後1~3週間」くらいのあいだで
- 発熱
- 発疹
などがおこることがありますが、たいていは一時的なもので、数日のうちに、腫れや赤みが自然となくなっていくことがほとんどです。
また、予防接種を受けた部分の腫れやかゆみが気になる場合は、保冷剤や濡れたタオルなどで冷やすと少しおさまりますよ。
まれにですが、アナフィラキシー症状や急性血小板減少性紫斑病があらわれることもあります。
水疱瘡の予防接種は副反応がほとんどないのですが、その分、有効性もほかのワクチンと比べて低いという専門家もおります。
ですので、予防接種を受けても水疱瘡にかかることはありますが、予防接種を受けていれば、比較的軽い症状で済むことはたしかです。
しかしながら、水疱瘡以外の予防接種を受けた際に、副反応があらわれたことがある人は注意が必要です。接種前に必ず医師に申し出ましょう。
水疱瘡の予防接種後の注意点
- 接種後30分~1時間は、アレルギー反応があった時のために、病院や、病院の近くにいるようにしましょう。異常がみられた場合はすぐに病院に連絡をしましょう。
- 接種後2~3週間は、副反応があらわれることがありますので注意しましょう。
- 注射した部分をこすらないようにしましょう。(接種当日の入浴はOK)
- 接種当日は、激しい運動、大量の飲酒を控えましょう。
- 接種後2ヵ月間は避妊しましょう。
妊婦が水疱瘡になってしまったら?
妊娠中に水疱瘡にかかってしまうと、お腹の赤ちゃんにも感染しますが、生まれてすぐに症状が出てくることは少ないとされております。生まれて1年以内に発疹などが出るなどの症状がおこることもあるようです。
また、合併症として失明した状態で生まれてくる場合もまれにあるといわれております。
水疱瘡の予防接種は「生ワクチン」であるため、妊娠中は接種できません。
妊娠を望んでいるが、水疱瘡にかかったことがない!という人は早めに予防接種を受けておくことをおすすめいたします。
だからといって、水疱瘡未経験の妊婦さんも、必要以上にこわがらなくても大丈夫ですよ。
妊婦が水疱瘡にかかる確率は0.1%以下だといわれております。
ただ、0.1%でも確率があるなら、やはり用心するにこしたことはありませんね。
水疱瘡はとても感染力が強いので、近しい子供の水疱瘡や、大人の帯状疱疹の話を聞いた場合は、接触しないようにしたほうがよいですね。
水疱瘡の治療方法
水疱瘡の初期症状が発症した後、48時間以内に抗ウイルス剤を飲めば、軽くすむといわれております。
水疱瘡の症状かも?と思った時点で、すぐに病院に行き、早めに治療をはじめると効果的です。(水疱瘡は感染力が非常に強いので必ずマスクを着用しましょう)
また、「緊急接種」という接種方法もあります。
感染者と接触してから、
3日(72時間)以内に接種→90%以上
5日以内に接種→70%
の確率で発症せずに済み、発症した場合でも、重症化を防ぐことができるとされております。
6日目以降に接種した場合は、思い通りの効果は期待できないものの、害になることもないといわれております。
1.飲み薬(抗ウィルス薬)
バラシクロビル顆粒(バルトレックス顆粒)を1日3回/5日間。
または『アシクロビル』1日4回/5日間を服用。
特に大人は重症化しやすいので初期の段階で治療を開始することが重要です。
このバラシクロビル顆粒(バルトレックス顆粒)は、子供にとっては非常に飲みづらいようで、内服を嫌がることがあり、親としてはとても困ります。薬をうまく飲んでもらう方法をご紹介しているこちらの記事もせひご参考になさってください。
2.塗り薬(カチリ)
白くねっとりとした、かゆみ止めの塗り薬です。発疹にひとつづつ塗布します。
3.解熱剤(高熱の場合のみ)
水疱瘡の時に、自己判断でアスピリン系(バファリン・ケロリンなど)の解熱剤を飲んだ場合、重い脳症をひきおこすことがあるといわれております。
解熱剤を飲む場合は、必ず医師が処方したものを服用しましょう。
水疱瘡はいつから登校(園)・出勤可能?
水疱瘡は、学校保健安全法において「第2類学校感染症」と分類されております。
「すべての発疹がかさぶたになるまで」が出席停止期間です。
かさぶたの状態ですが、「かさぶたは黒、かさぶたの周りは肌色」で、手のひら・足の裏以外の部分がすべて、かさぶたになればOK(手のひらや足の裏はかさぶたにならない)です。
誤解されやすいのが、「かさぶたがはがれおちるまで、出席停止になるのか?」ではないかと思います。
はがれおちるまで待つとなると、非常に長い期間(3週間ほど)になってしまいます。
人にうつる期間は、「発疹がぽつぽつと出始める1日~2日前から、かさぶたになるまで」です。
ですので、「すべての発疹がかさぶたに」なった頃、医師の許可を得てから登校(園)・出勤しましょう。
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