物忘れがひどくなってきたなということはありませんか?
私はまだ40代ですが、たまに会話の中で「あの、あれ」なんて言って、言葉が出てこない時なんかがあります。これはある程度、年齢とともに仕方のないことではあるようです。
今回は、物忘れがひどくなってきた原因や、自分でできる認知症セルフチェックなどをまとめました。
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最近、物忘れがひどくなってきた・・・原因は?
加齢によるもの
やはり、加齢による脳の衰えが、物忘れの原因の多数をしめているといわれております。
脳の細胞の老化は20代から徐々に始まっていきます。年を重ねるごとに脳の細胞は減少していき、60代で仕事などを引退した時などを境に、日常生活に刺激がなくなると、記憶力、判断力、適応力も低下し、物忘れがおこりやすくなってきます。
生活習慣
和食は世界にも類をみない優れた食文化だといわれておりますが、現代の日本人は、どちらかというと、魚中心の和食というよりは、欧米よりの食生活(肉中心)に傾いてきているため、脳のはたらきをよくするといわれている、DHAやEPAなどといった栄養素が自然のうちに摂れるということがなくなってきました。
ファーストフード、肉中心の食生活になると、どうしても、脂質、飽和脂肪酸、コレステロールを摂り過ぎてしまうことになり、認知症の発症リスクが高まってしまうのです。
また、たばこやお酒も、動脈硬化を促進してしまい、血管性の認知症や、アルコール性の認知症の発症リスクが高まるといわれております。
また、食生活とともに、生活習慣全般の乱れが長期にわたると、脳のダメージが大きくなり、若くして若年性認知症の発症リスクも高まるとされております。
睡眠不足
睡眠不足が慢性化し、疲労が回復しないと、脳内にある「海馬」という記憶に関わる部分が衰退していき、脳の記憶の整理や、脳の細胞の修復などができなくなり、記憶障害などの物忘れの症状がおこってきます。
昔(古い出来事)の話なら覚えているけど、今言われたこと、最近のことが思い出せない、覚えられない、などといった症状があらわれてきます。
ストレス
強いストレスや脳への衝撃によっても、「海馬」の神経細胞が死んでしまうといわれております。
また、ストレスによって、集中力が散漫になり、理解力、記憶力も低下してしまうため、物忘れの症状がおこりやすくなってきます。
病気
アルツハイマー型認知症
男性より女性に多いタイプの認知症で、脳が萎縮して、急激に神経細胞が減ってしまうことによって発症するといわれております。原因ははっきりしておりませんが、早期発見にて治療を受けると進行を遅らせることはできるとされています。
その他の症状としては、
- 徘徊
- 過食
- 睡眠障害
- 暴力
などがあります。
脳血管型認知症
女性よりも男性に発症することが多いといわれております。
脳の障害による認知症で、原因は脳の動脈硬化、脳出血、脳梗塞、脳卒中の後遺症などがあります。
その他の症状としては、
- 頭痛
- めまい
- やる気がおきない
などがあります。
レビー小体型認知症
男性に発症する確率が高く、女性の約2倍かかりやすいといわれております。
レビー小体とは、神経細胞にできる特殊なたんぱく質で、このレビー小体が、脳幹などの大切な場所にたくさん集まってしまうと、神経細胞が壊れ、脳の異変がおこってきます。
物忘れ以外の症状として特徴的なのが、初期の段階でも、「幻視」の症状がみられることが多いといわれております。「知らない人がいる」「虫がいる」などと訴え、いるという場所に向かって話しかけたりするなどもあるようです。
また、パーキンソン病に似た症状もあり、手が震える、動作が遅くなる、筋肉のこわばり、などもでてきます。
「幻視」の症状がみられた場合の家族の対応としては、決して否定せず、話を合わせてあげ、安心させてあげることが大切です。
いずれにしても、異変に気が付いた時点で早めに医療機関を受診しましょう。
精神科、脳神経外科、神経内科、もの忘れ外来、認知症外来などが適切ですが、レビー小体型認知症は診断が難しいともいわれております。
こちらの「レビー小体型認知症・家族を支える会」にて相談されてみるのもよいでしょう。
前頭側頭型認知症
50歳代から60歳代の比較的若い年代に発症しやすい認知症といわれ、脳の前頭葉や側頭葉が萎縮をおこすことが原因といわれております。
症状としては、
- 物忘れが多くなる
- 周囲に関心がなくなり自分勝手になる
- 同じことを繰り返し行う
- 時間に固執するようになる
- 喜怒哀楽が少なくなる
- 万引きなどの反社会行為をするようになる
などがあります。
若年性認知症
64歳までの人で認知症が発症した場合に、若年性認知症と呼ばれます。どちらかというと男性のほうが多く、発症した年齢が若いほど、進行も早いとされております。
物忘れが多くなり、一度に複数のことを考えることができなくなってきたり、迷子になったりしやすくなります。家族としては、迷子防止のために、GPS機能のついたものをかばんに入れておいたり、名前や連絡先の書いたものを洋服に縫い付けておくなどの工夫が必要にもなってきます。
また車の運転にも支障が出てきた場合(信号を無視、アクセルとブレーキを間違える、スピードを出しすぎるなど)は、免許を返納するように本人に説得する必要もでてきます。
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若年性健忘症
若い年代であるにもかかわらず、物忘れがひどくなったり、人の話が理解できなかったりするなどの症状があらわれるのですが、病院のCTやMRIなどの検査をおこなっても脳に異常が見つからないのが特徴です。
うつやストレスなどがひきがねとなったり、また反対に、頭を使うことが少ないことも発症リスクにつながるとされております。
老人性うつ病
引っ越し、配偶者の死など、大きな環境の変化があった時におこりやすいとされているのが、老人性うつ病です。高齢者は、老人性うつ病から本格的な認知症へと進行していくこともありますので、注意が必要です。
その他の症状としては、
- 何もやるきがおきない
- 食欲がない
- 考える気力がない
などがあります。
また、環境の変化をきっかけに「うつ病」を発症してしまうことがあります。
こちらの記事を参考になさってください。
脳梗塞
脳の血管が狭くなったり、詰まってしまったりすることで、脳に栄養や酸素などが十分に行き届かなくなり、脳の細胞や組織の一部が死んでしまうのが脳梗塞です。
物忘れのほかにも、
- ろれつが回らない
- 顔に歪みがみられる
- 片方の手足に力が入らない
- 目の焦点が合わない
- 文字が書けなくなる
などがあります。
脳梗塞はこうした初期症状にいちはやく気がつき、早期に治療を開始することが重症化を防ぐためにも大切です。脳神経外科が適しております。
軽度の認知症をセルフチェック
□ぼんやりすることが多くなった
□根気がなくなった
□生きがいを感じることが少なくなった
□1日の計画が、自分で立てられなくなった
□3つ以上の用事を、同時平行で片付けられなくなった
□反応が鈍くなった、動作が遅くなってきた
□自分の頭で考えられずいつも同じようになってしまう
□同じ話を何度もしたり、聞いたりするようになった
□ものにあまり感動しなくなってきた
□人に「意見を聞かなくなった」と指摘された
いかがでしょうか?このうち4つ以上あてはまった場合は、軽度の認知症の可能性が考えられます。
認知症は何科を受診すればいいの?
かかりつけの内科、または神経内科、精神科、脳神経外科、もの忘れ外来、メモリークリニックなどの医療機関を受診してみることをおすすめします。
もの忘れを予防する栄養素
DHA/EPA
DHAは脳の中の「海馬」という記憶や学習に関係する部分にも多く含まれている脂肪酸です。また、EPAは、血液の流れをよくするといわれております。
DHA/EPAは魚に多く含まれている栄養素で知られていますね。
少し昔になりますが、
さかなさかなさかな~♪さかなを食べると~
あたまあたまあたま~♪あたまがよくなる~
っていうあれですね。
DHA/EPAが豊富な食品
- マグロ
- イワシ
- ハマチ
- さんま
- かつお
- あじ
- うなぎ
など
レシチン
神経伝達物質「アセチルコリン」の材料となっているのがレシチンです。レシチンが不足すると、神経伝達物質の「アセチルコリン」の量も減ってしまい、記憶力の低下や物忘れの原因となってしまうといわれております。
レシチンが豊富な食品
- 大豆
- 卵黄
- レバー
- 銀杏
- うなぎ
- 肉類
など
フェルラ酸
ポリフェノールの一種で、抗酸化作用があり、脳の機能の改善、高血圧の改善や、軽度のアルツハイマーに対しても効果が期待できると注目されています。
フェルラ酸が豊富な食品
- 玄米
- 米ぬか
- 小麦
- コーヒー
など
アスタキサンチン
脳の老化の原因である「酸化」を抑える働きがある栄養素とされております。疲労回復、ダイエット効果なども期待できます。
アスタキサンチンが豊富な食品
- 桜えび
- 紅鮭
- いくら
- 毛ガニ
- すじこ
- 金目鯛
など
イチョウ葉エキス
神経細胞などの損傷をひきおこすといわれている、活性酸素を除去、または炎症反応も抑える働きのある栄養素といわれております。
レスベラトロール
神経のシグナル伝達などのはたらきをよくする栄養素といわれております。
レスベラトロールが豊富な食品
- ぶどう
- 赤ワイン
- いちご
- ザクロ
- りんごの皮
- ブルーベリー
など
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