プールなどで耳に水が入った時など、なんとなく「耳に膜が張っているような感じ」がすることってありますよね。
これが、水が耳に入った時ならわかりますが、平常時にもこのような症状がおこった場合考えられる原因ってなんでしょうか?
今回は、耳に膜が張った感じがするときのさまざまな原因をまとめました。
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耳に膜が張った感じがする!
耳に膜が張った感じがすることを「耳閉感」といいます。
「耳の中が詰まった感じ」「耳の中がふさがっている感じ」「水が入っているような感じ」などとも表現されます。
例えば、飛行機に乗った時や、登山をした時、トンネルをくぐった時や、風邪の鼻づまりなどで、耳に「圧迫感」を感じることってありますよね。
そういった明らかな原因がある場合はいいのですが、とくにそういうきっかけもないのに、耳閉感を感じる時は、何か耳の病気がかくされているかもしれません。
一緒に見ていきましょう。
耳閉感をおこす原因は?
画像引用「こだま耳鼻科」
耳閉感をおこす原因にもさまざま考えられますが、その前に、耳には、「外耳」「中耳」「内耳」といって、場所ごとに名前があります。
簡単にいうと、外に近い部分が「外耳」中間部分に位置し、鼓膜があるのが「中耳」で、一番奥が「内耳」ということになります。
そして、耳閉感が外耳に由来したものなのか、中耳か内耳かによっても考えられる病気が違ってきます。その簡単な判別方法は以下の、「自分の声が響く」か「周囲の音が響く」かでおおまかに判別できます。
自分の声が響くという人(外耳・中耳・耳管)
自分の声が響くという人は、外耳、中耳、耳管に原因があって症状がおこっている可能性があります。
外耳が原因の病気
耳掃除のしすぎ
耳掃除のしすぎによって外耳炎をおこした時も「耳閉感」があります。
耳の中には「迷走神経」といって、「気持ちいい」と感じる神経が走っています。
なので耳かきはくせになってやめられないのですね。かくいう私もその一人です。
しかし、耳垢掃除をしすぎることによって、デリケートな外耳の皮膚に傷をつけて炎症がおこる「外耳炎」になってしまってはもともこもありません。耳垢掃除はせいぜい1カ月に1度くらいにしておきましょう。
耳垢と耳掃除についてくわしくは
をごらんください。
耳垢栓塞(じこうせんぞく)
字の通りで、耳垢(みみあか)で栓をして、耳が塞がれてしまった状態のことをいいます。これによって、耳に膜が張ったような「耳閉感」を感じることもあります。
上記の「耳掃除のしすぎ」に相反するような気がしますが、本来耳垢とは、自然と耳の外に排出される仕組みになっているといわれておりますが、体質的(耳垢の種類にもよる)な問題もあり、うまく耳垢を排出できない人や、耳かきによって、かえって耳垢を奥に押し込んでしまっている場合もあります。耳垢栓塞は、耳鼻科で耳垢をとってくれますので、ぜひ相談してみてください。
耳垢と耳垢栓塞についてくわしくは
をごらんください
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中耳が原因の病気
中耳炎
中耳炎によっても「耳閉感」を感じることがあります。
耳と鼻はつながっており、風邪をきっかけに、菌が鼻から耳へと入っていき、膿がたまってしまい中耳炎になります。
中耳炎には、急性中耳炎、滲出性中耳炎、慢性中耳炎、真珠腫性中耳炎などがあります。
中耳炎についてくわしくは
をごらんください。
耳管が原因の病気
耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)
耳管狭窄症によっても「耳閉感」を感じることがあります。
耳管狭窄症は、鼻風邪や鼻炎などをきっかけに、耳管周辺が炎症をおこし、粘膜のむくみによって「耳管が狭くなり、ふさがれたように」なってしまう症状です。
自分で「耳抜き」をして自然治癒することも多々あるようです。
自分でできる簡単な「耳抜き方法」
1.口を閉じる
2.鼻をつまむ
3.そのまま軽く鼻をかむように息を鼻で吐く
スキューバーダイビングをしたときに、耳の詰まりを解消するための方法として、インストラクターが教えてくれる技術と同じですね。
引用元:「耳が詰まる感じがする!耳の不快症状の7つの原因と対処法」
耳管開放症
気圧を調整する役割を果たしている「耳管」が開いたままになると、鼻の奥と中耳がつながってしまい、鼓膜が不安定な状態になります。
耳閉感以外にも、自分の声が響くように感じたりします。
原因の多くは、急激な体重減少によって、耳管周辺の脂肪も減りやせて、耳管がゆるみやすくなってしまうことのようです。
自分でできる改善方法は、前かがみになったり、横になったりすることです。
治療方法は、こうした方法で自然治癒とするところですが、重症化した場合は、耳管開口部に注射をし膨張させて開いた部分を狭くする方法や、薬を噴霧し炎症をおこすことにより粘膜が腫れることによって耳管を狭くするという方法もあるようです。
しかし、最近では、漢方薬「加味帰脾湯(かみきひとう)」での治療も一定の効果を認められており、治療に使われているようです。
ひとつだけNG行為は、鼻をすすることです。耳垢がたまり炎症がおこりやすくなります。
引用元:「耳が詰まる感じがする!耳の不快症状の7つの原因と対処法」
内耳が原因の病気
突発性難聴
突発性難聴によっても「耳閉感」がでる場合があります。
突発性難聴はある日突然、
- 片耳が聞こえづらい
- 片耳になにか詰まっているような感じがする(耳閉感)
- めまい、立ちくらみ
- 耳鳴り
- 吐き気
などとともに、こもって音が鮮明に聞こえなくなります。
はっきりとした原因はわかっていませんが、発性難聴は進行が早く、治療開始が早いほどいいそうです。
以上のような症状があらわれた時は、すみやかに耳鼻科を受診しましょう。
低音障害型感音性難聴
蝸牛型メニエール、急性低音障害型感音難聴、急性低音障害とも呼ばれており、
内リンパ水腫が「蝸牛」におき、発症すると考えられております。
メニエール病と違いは、内リンパ水腫が、平衡感覚に関係する場所にできないことです。
そのため、めまいがおこらないのが低音障害型感音難聴の特徴であるともいえます。
耳閉感とともに、低音の耳鳴り、自分の声が反響して聞こえる、低い周波数が聞こえにくいなどの症状もあらわれます。
原因の多くは、睡眠不足や疲労、精神的ストレスとされています。
メニエール病
メニエール病によっても「耳閉感」を感じます。
それ以外の症状としては、
- 頭痛
- 吐き気
- 耳鳴り
- めまいが繰り返し起こる
- こもった感じ
などがあります。
20代~40代の女性に多く発症するといわれ、原因は、ストレス、睡眠不足、過労などによって、内耳のリンパが増えて水ぶくれをおこす「内リンパ水腫」がおこることとのことです。
耳鼻科にて、薬物(ビタミンB12、抗めまい剤等)治療が行われます。
などさまざまな原因が考えられます。
耳に膜が張った感じと同時にめまいがあったら注意!
耳に膜が張った感じの耳閉感とともに、めまいがあった場合は、内耳に関係した病気である可能性が高いため、早めに耳鼻科を受診しましょう。
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