私は風邪をひいてもインフルエンザになっても、ほとんど熱をださないのですが、数年前のお正月に突然高熱をだしたことがあります。
ほんとにお正月元旦だったので、救急指定病院しか空いてなく、どちらかというと専門外の病院に行ったところ、インフルエンザじゃないか?(インフルエンザは陰性だったのにもかかわらず)といわれ、タミフルを飲みはじめましたが、まったく熱が下がらず、翌日も違う救急指定病院に行ったところ、たまたま呼吸器内科系の病院だったため、「肺炎です。」と診断をしてもらえました。その後もらった薬を飲んだら、2日もしたら嘘のように熱が下がりました。
休日にだけは病気になるものではないなと感じました(泣)
今回は、大人がかかりやすい、肺炎の種類と症状などをまとめました。
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大人の肺炎の症状
肺炎とは、肺の中に炎症がおき、高熱、激しい咳、痰、呼吸が苦しいなどの、呼吸器症状がおこる病気です。
- 高熱(38度以上)が4日以上続く
- 激しい咳
- 痰の色が黄色や緑色などの色がつく
- 息苦しさがある
- 呼吸や脈拍があがる
- せきをすると胸に痛みがある(胸痛)
普通の風邪との違い
1.高熱と激しい咳が4日以上続く
2.呼吸が苦しく、咳をすると「胸痛」がある
肺炎の種類
1.細菌性肺炎(細菌)
肺炎球菌性肺炎
かかりやすい年齢
- 抗体をもっていない2~3歳の乳幼児
- 免疫力が低下している65歳以上
症状
発熱(38℃以上の高熱が4日以上)、悪寒、せき、痰、くしゃみ、頭痛、食欲不振、倦怠感など。
「咳をするたび胸が痛い」という症状が左右どちらかの胸にあらわれ、緑色や、黄色、赤茶褐色のような痰がでます。
肺炎球菌性肺炎を予防するには「肺炎球菌ワクチン」があります。
くわしくは「肺炎球菌の症状は?大人の定期予防接種について」をごらんください
Hib(インフルエンザ菌)
かかりやすい年齢
5歳未満の乳幼児(自己免疫力が低いため)
まれにですが大人もかかることがあります。
症状
高熱、咳、痰(血が混じったり、色のついたもの)など。
重症化すると、呼吸困難やチアノーゼをおこしたり、意識障害などになり、最悪の場合、死に至るケースもあります。
また、細菌による肺炎は高熱がでたり、色のついた痰がでるのが特徴です。
毎年冬に流行する「インフルエンザ」は「インフルエンザウィルス」によるもので、「Hibインフルエンザ菌」とは別物です。
インフルエンザ菌肺炎の予防には「Hibワクチン」があります。子供は「肺炎球菌ワクチン」とともに、定期予防接種となっております。
くわしくは「肺炎球菌の症状は?大人の定期予防接種について」をごらんください。
その他の細菌性肺炎
黄色ブドウ球菌、クレブシエラ、モラクセラ・カタラーリスなどの細菌による肺炎もあります。
~細菌性肺炎の治療法~
・抗菌薬を服用
・水分補給
・安静にする
病院でもらった抗菌薬は最後まで飲み切りましょう。
薬を途中でやめてしまうと、症状がぶり返したり、菌がその薬への耐性をつけてしまい、今後同じ抗菌薬が効かないということにもなってしまいます。
発熱によってたくさんの水分を奪われ、脱水症状がおきやすくなっています。経口補水液(OS-1)などによる、こまめな水分補給をおこないましょう。
2.ウィルス性肺炎(ウィルス)
ウィルス性の肺炎は主に「かぜ症候群」の症状のひとつといわれております。
かぜ症候群とは:上気道(鼻、咽頭、喉頭)の急性炎症(普通の風邪)だけではなく、下気道(気管、気管支、肺)へも広がって急性炎症をおこす疾患の総称とされています。
インフルエンザウィルス
かかりやすい年齢
インフルエンザウィルスによるウイルス性肺炎がおこりやすいのは、主に小児で、まれに成人もインフルエンザの症状の発症後、1~2日ほどで呼吸困難がおこり、重症化すると低酸素血症になり、最悪の場合死に至るケースもあるといわれております。
症状
肺炎、高熱、激しい咳、呼吸困難など。
くわしくはをこちらをごらんください。↓
RSウィルス
生後4か月以内の赤ちゃんがRSウィルスに感染すると肺炎をおこしやすいといわれております。
また、免疫力の弱い高齢者もRSウィルスによる肺炎をおこしやすいといわれております。
このRSウィルスは、50%以上が生後1歳までに一度はかかるといわれ、2歳までにはほぼ100%の子供がかかるといわれております。
初めての感染時は重症化しやすい傾向があるといわれており、肺炎もおこりやすくなってくるとされております。
現時点では、RSウィルスを予防するワクチンはありません。空気感染はしないといわれているので、予防には手洗いとうがいが重要になってきます。
その他のウィルス性肺炎
パラインフルエンザウイルス、麻疹ウイルス、水痘ウイルス、アデノウィルス、SARSなどもあります。
~ウィルス性肺炎の治療法~
純粋に、かぜ症候群の症状である「ウィルス性の肺炎」単体での症状であれば、
- 水分
- 栄養補給
- 安静
によって、自然治癒していきます。
しかし、どちらかというと、「ウイルス性肺炎」単独の肺炎よりも、細菌感染を合併した肺炎が多いため、純粋な「ウイルス性肺炎」であることは少ないようです。
「ウイルスと細菌に同時に感染し肺炎をおこした場合」と「ウイルス感染による疾患のあと、細菌が二次的に肺炎をおこした場合」は、
- 抗ウィルス薬
- 呼吸管理
- ステロイド
- グルブリン製剤
などの治療もおこなわれることがあります。
3.非定型肺炎(病原微生物)
マイコプラズマ肺炎
かかりやすい年齢
・5歳~14歳
しかし成人にも乳幼児にもマイコプラズマは感染します。
肺炎の1割~2割がマイコプラズマが原因によっておこっているといわれているほど、身近な感染症です。
症状
肺炎であっても「痰がでない、空咳(からぜき)が続く」「発熱しない」こともあるのがマイコプラズマ肺炎です。
妊娠中にマイコプラズマに感染しても胎児に感染することはないとされています。服薬に関しては、妊娠10週目を経過している場合は処方する可能性もあるなど、体調によって医師が判断します。
治療法
病院にて抗生剤が処方されます。
しかし、最近では、抗生剤が効かないマイコプラズマもでてきているので、医師の指示に従い、処方された薬は最後まで飲みきることが大切です。
市販の風邪薬やせき止め薬などでは治りませんのでご注意ください。
くわしくはこちらをごらんください↓
「マイコプラズマ肺炎は潜伏期間中でも人に感染する?期間は?」
クラミジア肺炎
クラミジアといえば性病というイメージがあるかと思いますが、クラミジアは肺炎をひきおこす原因ともなります。クラミジアによる肺炎は大きく分けて2種類あります。
1.クラミジア・ニューモニアエ(肺炎クラミジア)
乳幼児も大人もかかるといわれております。
発熱(高熱はでない)、喉の痛み、乾いた咳(長く続く)、鼻水、鼻づまりなど。
比較的、軽症ですむことが多いのですが、体力や免疫力が落ちていると重症化する場合もあるので注意が必要です。
2.クラミジア・トラコマティス
新生児がかかるクラミジアです。母親が妊娠中にクラミジア(性病)に感染して、治療せずそのまま出産した場合、赤ちゃんが産道を通る時に感染するものです。
結膜炎、鼻炎、咳、呼吸困難などをおこします。発熱はありません。
治療法
- 抗生剤
- 咽頭痛、結膜炎、鼻水、咳などの症状をやわらげるための対症療法
- 赤ちゃんのクラミジア肺炎の場合は入院(感染した場合、生後約30日~90日に発症します)
レジオネラ肺炎
かかりやすい年齢
主に中高年男性に多く、高齢者の集団感染で問題になることが多い肺炎だといわれております。肺炎の中でも、重症化しやすい肺炎だとされております。
レジオネラ菌は自然界に広く生息しているのですが、特に水中で繁殖しやすいという特徴があり、循環式風呂、温泉施設、空気清浄機などにすみついていた場合、そこからでる菌を吸い込んで感染しますので、集団感染する場合などもあります。しかし、人から人へ感染はしないといわれております。
症状
咳、痰は少ない(初期)、高熱、寒気、胸痛、まれに下痢、嘔吐など。
治療法
- 入院治療(重症化しやすいため)
- 抗菌薬
致死率が非常に高く、適切な治療をしなかった場合は60%~70%の致死率ともいわれております。早期に適切な治療をおこなえば致死率は10%未満という報告もあります。
その他の非定型肺炎
リケッチアによる「リケッチア性肺炎」などもあります。
4.その他の肺炎
誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)
かかりやすい年齢
高齢者に多くみられる肺炎です。
肺炎は日本人の死亡原因の3位に位置し、そのうち90%以上が75歳以上だといわれております。
また、そのうちの「誤嚥性肺炎」による死亡は、70歳以上では70%になるとされています。
そのため誤嚥性肺炎は別名「老人性肺炎」ともいうそうです。
飲食物を飲み込む動作を「嚥下(えんげ)」といいますが、高齢になってくるとこの動作がうまくできなくなってくる「嚥下障害」という状態になっていきます。そして、飲食物や胃液などが誤って、気管などに入る「嚥下(えんげ)」をおこします。その時に唾液とともに細菌も一緒に肺に流れ込むことによって肺炎をおこすのが「誤嚥性肺炎」です。
症状
- 咳
- 発熱
- 食事中にむせる
- 食べるのに時間がかかる
- つばを飲み込みずらい
- 喉がゴロゴロと鳴っている感じがする
- 元気がない
- 倦怠感
- 息切れが多くなった
- 痰が汚い
しかし、発熱、せき、痰などの症状がでない場合も多くあり、見過ごされがちです。
重症化すると、呼吸不全になることもあるといわれております。
治療法
- 入院治療
- 抗菌薬(肺炎の原因となる細菌を殺す抗菌薬)
カリニ肺炎
正式名称は「ニューモシスチス・カリニ肺炎」といいます。
どこにでもいる病原体で、ほとんどの人が子供のうちに感染しているともいわれております。
なので、健康な人であれば免疫力で退治できるため、発症することはほとんどありません。
しかし以下の場合のように、免疫力が低下すると感染し、肺炎を発症します。
・エイズを発症している
・病気などでステロイド・免疫抑制剤を服用している
・ガンで抗ガン剤治療をしている
症状
- 発熱
- 乾いた咳
- 息苦しさ
- 呼吸困難
- チアノーゼ(皮膚などが青くなる)
治療
入院治療をし、医師のもとで適切な治療を早急におこなうことで、致死率を下げることができます。
過敏性肺炎
男女問わず、大人も子供もかかるといわれております。
真菌(カビ)、有機粉塵(ゆうきふんじん)、鳥の糞などを吸い込むことによっておこるアレルギー性の肺疾患のひとつだとされております。
日本においては、家の中の空気中に存在する、トリコスポロンという真菌(カビ)が原因による過敏性肺炎が約7割と最も多いとされています。エアコンの空気によって発症するケースも多いとの報告もあります。
夏(春から秋にかけて)にい多くみられるため、夏型過敏性肺炎ともいわれています。
感染症ではないので、人にうつることはありません。
症状
- 咳(せき)
- 発熱
- 呼吸困難
など。
治療法
比較的軽い場合は薬を飲まず、様子をみるようですが、重症化した場合は、医師のもとで、
- ステロイド薬の内服
- 点滴投与
- 酸素吸入
などの治療をおこなう場合もあります。
対処法
- エアコンのフィルターの掃除
- 家の中のカビを掃除
- 家の中の換気をする
- できるだけマスクをする
- 湿度を60%以下に保つ
その他の肺炎
投薬によってひきおこされる「薬剤性肺炎」というものもあります。
肺炎の予防法
肺炎球菌性肺炎の予防にはワクチンがあるので接種しておくのをおすすめします。
くわしくは「肺炎球菌の症状は?大人の定期予防接種について」をごらんください。
また自分でできる肺炎の予防法としては、
肺炎になってから治療するよりも、そもそも肺炎にかからないようにするほうが賢明です。
そのためにも、日頃から肺炎の予防を心がけていくことが大切になってきます。
- うがい
- 手洗い
- マスク
で予防し、
- 十分な睡眠
- 規則正しい生活
- 栄養バランスのよい食事
- 軽い運動
- 持病の治療
- 禁煙
- 太陽の光をあびる
などによって、日頃から、からだの抵抗力(免疫力)をアップさせる意識をもつとよいでしょう。
引用元:からだポジティブ「肺炎球菌の症状は?大人の定期予防接種について」
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