水疱瘡(みずぼうそう)といえば、子供がかかる病気のイメージですが、まれに、大人になるまでに一度も感染しなかった、または、予防接種も受けていないという方もおられます。
大人になってからの水疱瘡は重症化しやすいため、初期の段階での治療が功を奏します。
今回は、大人の水疱瘡(みずぼうそう)についてまとめました。
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水疱瘡(みずぼうそう)の潜伏期間と症状
水疱瘡は「水痘・帯状疱疹ウィルス」によって感染します。
一度水ぼうそうにかかったら免疫がつきますが、ウィルスは体内に一生潜伏し続けます。
そして、何十年か経った大人になってからであっても、体力や免疫力が低下した時に「帯状疱疹(たいじょうほうしん)」としてあらわれることがあります。
流行時期
冬から春先(12月~5月)
潜伏期間
10日~3週間
好発年齢
4歳~5歳までの乳幼児期がもっともかかりやすいといわれており、9割以上の人が10歳までにかかるといわれております。
0歳のお子さんの場合は、予防接種を受けることができないため、保育園などに通っている場合かかってしまうこともあるようです。
症状
1.発熱
37℃くらいの微熱。
2.発疹・水ぶくれ
小さい赤いブツブツ(発疹)がお腹や顔にポツポツと、あらわれはじめ、数時間から1日後には水ぶくれになっていき体全体に水泡が広がります。
この期間はげしいかゆみをともないます。
3.かさぶた
黒いかさぶたとなり、やがてはがれおちます。
水疱瘡を発症してから、かさぶたがはがれおちるまで、約3週間ほどの時間がかかります。
潜伏期間中でも人にうつる?
水疱瘡は、潜伏期間中でも人にうつります。
人にうつる可能性のある期間は、
「発疹がぽつぽつと出始める1日~2日前から、かさぶたになるまで」です。
もし、家族の中で水疱瘡にかかった人がでた場合、潜伏期間中であっても病院で受診すると、お薬を処方してもらえるか、緊急予防接種ワクチンを打ってくれることがありますので、水疱瘡にかかった人の家族の中で、まだ水疱瘡にかかったことのない人がいる場合は、必ず病院に行きましょう。
水疱瘡は子供の場合は「小児科」で、大人の場合は「皮膚科」を受診しましょう。
子供の水疱瘡の時に親も一緒に「小児科」で診てもらえる場合もありますので、聞いてみるとよいでしょう。
水疱瘡の治療法
水ぼうそうかも?と心あたりのある方は、すぐに病院に行き、早めに治療をはじめると効果的です。水疱瘡の初期症状が発症した後、48時間以内に抗ウイルス剤を飲むことで、かなり軽症に抑えることができるといわれております。
また、「緊急接種」といって、感染者と接触してから、
3日(72時間)以内に接種→90%以上
5日以内に接種→70%
の確率で発症せずに済み、発症した場合でも、重症化を防ぐことができるといわれております。
6日以降に接種した場合は、思ったような効果は期待できないものの、害になることもありません。
水疱瘡は非常に感染力が強いので、病院に行く際は必ずマスクを着用しましょう。
1.飲み薬(抗ウィルス薬)
バラシクロビル顆粒(バルトレックス顆粒)を1日3回/5日間。
または『アシクロビル』1日4回/5日間を服用。
特に大人の水疱瘡は重症化しやすいので初期の段階で治療を開始することが理想です。
2.塗り薬(カチリ)
白くねっとりとした、かゆみ止めの塗り薬です。発疹にひとつづつ塗ります。
3.解熱剤(高熱がでている場合)
アスピリン系(バファリン・ケロリンなど)の解熱剤を飲んだ場合、重い脳症をひきおこすことがありますので、解熱剤を飲む場合は、自己判断をせず、必ず医師が処方した解熱剤を服用しましょう。
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大人が水疱瘡にはじめてかかったら重症化しやすい?
大人が水疱瘡にかかった場合、特に気をつけなければならないのが、発熱と発疹です。
大人が水疱瘡で発熱した場合、高熱になりやすく、また長期間続くことがあるため、脱水症状などに気をつけなくてはなりません。
また、発疹が重症化した場合は、かゆみや痛みが強いだけではなく、口の中にまで発疹ができてしまい、食べ物を食べられなかったり、呼吸困難に陥ることもあるといわれております。
また、痕も残りやすいといわれております。
特に、アトピー性皮膚炎など皮膚が弱い人も重症になりやすい傾向にあるようです。
大人が水疱瘡にかかった時は、自然治癒に任せることなく、必ず病院(大人は皮膚科)に行きましょう。
合併症の危険性も?!
・無菌性髄膜炎→高熱、頭痛、嘔吐、頭を前に傾けたときにあごが胸につかないなどの症状。
・水痘脳炎→ふらふらして体を起こしていられないなどの症状。
・水痘肺炎→高熱、咳、呼吸困難、口の中がただれるなどの症状。
このような状態になった場合は、早めに病院に行きましょう。
仕事はいつからいってもいいの?
水ぼうそうは、学校保健安全法において「第2類学校感染症」と分類されております。
「すべての発疹がかさぶたになるまで」が出席停止期間となっております。
なので「すべての発疹がかさぶたに」なった頃、医師の許可を得てから出勤しましょう。
「かさぶたがある」状態で出勤してもいいのか?と不安になるかと思いますが、「かさぶたがはがれおちるまで」だと、3週間ほどと、非常に長い時間がかかったしまいます。
また、人にうつる期間というのは、あくまでも「発疹がぽつぽつと出始める1日~2日前から、かさぶたになるまで」なので、「かさぶたになった時点で」医師に一度みてもらい、出勤許可を得るとよいでしょう。
妊婦が水疱瘡にかかってしまったら?
妊婦が水疱瘡にかかると胎内の赤ちゃんにも感染しますが、生まれてすぐ赤ちゃんに症状が出てくることは少ないとされております。
しかし、潜伏期間があるため、生まれて1年以内に急に発疹や症状が出てくる場合もあります。
また、まれに合併症によって、赤ちゃんが失明した状態で生まれてくる場合もあるといわれております。
しかしながら、妊婦が水疱瘡にかかる確率は0.1%以下だといわれておりますので、あまり心配しすぎる必要はないようです。
水疱瘡のワクチンは生ワクチンのため、妊娠中は接種できないので、妊活中の女性は、必ず予防接種を受けておきましょうね。
水疱瘡の子供から親の帯状疱疹が発症することはある?
帯状疱疹は、水疱瘡と同じウィルスによるもので、水ぼうそうを経験したことがある人が、体力や免疫力が低下した時にでる病気です。
なので例えば、一度水疱瘡にかかったことがあるならば、水疱瘡の子供と同じ空間にいる親が「水疱瘡ウィルス」によって、帯状疱疹を発症するということはありません。
あくまでも帯状疱疹は、「体力や免疫力が落ちた時に、体内に潜んでいる水疱瘡のウィルスが暴れだす」ことによるものなので、人からうつされるものではないからです。
ただし、親の帯状疱疹から、子供(水疱瘡にかかっていない場合)に「水疱瘡」として発症する(うつる)ことはありますので、注意が必要です。
帯状疱疹の症状
帯状疱疹は、体の両側に症状がでるということはほとんどなく、体の左右どちらか片方の神経に沿って、帯状にあらわれます。
できる部位は、ひたい、背中、胸、お腹、腰、足などです。
皮膚の症状が出る数日前から痛みだし、赤いぶつぶつがでたあとに、水ぶくれができます。
皮膚の症状がおこってから2週間~3週間くらいかけて治まっていきます。
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