トンネルを車や電車でくぐり抜けた時や、飛行機に乗った時、山を登った時などに、急に耳が圧迫されるというか、詰まったような感じになることってありますよね。「つばをたくさん飲み込みなさい」など親に言われたりしましたが、このような状態を「耳閉感(じへいかん)」といいいます。
トンネルもくぐってないし、飛行機にも乗っていないのに、このような状態になる原因は何でしょうか?
今回は「耳が詰まる感じ」がする耳閉感がおこる原因をまとめました。
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耳が詰まった感じがする原因と対処法
中耳炎
耳と鼻はつながっています。風邪をきっかけに、菌が、鼻から耳の鼓膜の奥に入ってしまい、うみがたまるのが中耳炎です。
この時、菌は耳の外から入るのではなく、耳とつながっている鼻の奥から入ってきます。なので、プールやお風呂の水が入って中耳炎になることはありません。
病院では膿を吸う処置をしてくれます。また、腫れが強いときのみ、抗生物質を使用します。
ひどい場合は、鼓膜を切って膿を吸う処置をする場合もあります。
突発性難聴
突発性難聴は、その名の通り突発的にある日突然、耳の異常を自覚します。
・片耳がよく聞こえない
・片耳になにかものが詰まっているような感覚になる(耳閉感)
・めまい、立ちくらみなどや普通に立っているときも平衡感覚が保てない感じがする
・耳鳴り
・吐き気
などの症状があらわれ、こもって鮮明に音が聞こえなくなります。
原因ははっきりしておりませんが、ウィルスによるものと、内耳循環障害からくるものとの説が有力であるようです。
突発性難聴は進行が速いので治療開始が早ければ早いほどよいといわれております。
このような症状があらわれた時には、すみやかに耳鼻科を受診しましょう。
耳管狭窄症(じかんきょうさくしょう)
風邪や鼻炎などが原因で耳管周囲が炎症を起こし、粘膜がむくむことによって、耳管がふさがったような狭くなってしまう症状です。耳がこもったような感じがしたり、耳が詰まるといった状態になります。
自分自身で「耳抜き」ができれば、自然に改善することもあるようです。
炎症の程度によっては、耳管通気をしたり、抗生物質や、消炎剤を使い治療をします。
自分でできる簡単な「耳抜き方法」
1.口を閉じる
2.鼻をつまむ
3.そのまま軽く鼻をかむように息を鼻で吐く
スキューバーダイビングをしたときに、耳の詰まりを解消するための方法として、インストラクターが教えてくれる技術と同じですね。
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耳垢栓塞(じこうせんそく)
書いて字のごとく、耳垢(みみあか)で栓をして、耳が塞がれてしまった状態になることです。
では、耳掃除をまめにおこなうといいかというと、そうでもなく、本来耳垢というのは、耳かきをしなくても、自然に耳の外にでてくる仕組みになっているといわれております。
しかし、まれにうまく耳垢が排出されない体質の人もいるためとされています。また、耳かきをしたときに、知らず知らずのうちに耳垢を奥に押し込んでしまっていることも原因のひとつではないかともいわれております。
無理に耳掃除をするのではなく、耳鼻科に相談するとよいですよ。
うちの子供も小学校の耳鼻科検診にて「耳垢栓塞」と診断され、耳鼻科に行くよう、お知らせのプリントが来たことがあり、耳鼻科に行ってとってもらったのですが痛みもなく、乾いた大きな耳垢がでてきてびっくりしました。
メニエール病
ストレス、睡眠不足、過労等などで、「内リンパ水腫(内耳のリンパが増えて水ぶくれをおこしている状態)」がおこり、頭痛・吐き気・耳鳴り・耳が詰まる感じ(耳閉感)・こもった感じなどの症状で、特にめまいが繰り返し起こるのが特徴です。
20代~40代の女性に多く、ストレス、疲労があるときに発症しやすい傾向があるといわれております。
主に、薬物(ビタミンB12、抗めまい剤等)による治療が行われます。
日常生活においては、ストレスや疲労をため込まず、睡眠と栄養をとりながら安静を心がけることが大切になってきます。
低音障害型感音性難聴
蝸牛型メニエールとも呼ばれております。
内リンパ水腫が「蝸牛」に起こることで発症すると考えられており、突発性難聴より治りやすいともいわれております。
メニエール病と違うのは、平衡感覚に関係する場所に内リンパ水腫ができないため、めまいは起こらないのが低音障害型感音難聴といわれております。
メニエール病と同じく、20代~40代の女性に多く、耳が詰まった感じや、低音の耳鳴り、自分の声が反響して聞こえる、特に低い周波数が聞こえにくいなどの症状がおこります。
しかし治っても、ストレスなどをきっかけに、くり返しおこる場合があります。
治療法は、利尿剤と副腎皮質ホルモンなどの薬物療法となります。
メニエール病と同様に、睡眠不足や疲労、精神的ストレスが大きな誘因とされるため、
十分な睡眠とストレスを軽減する生活を心がけましょう。
耳管開放症
急激な体重減少によるものが原因のトップといわれております。最近は増加傾向にあるといわれております。
ダイエットや病気などで急激な痩せ方をすると、耳管の周囲の脂肪もやせて耳管がゆるみやすくなるといわれております。
気圧を調整するはずの耳管が開きっぱなしになり、鼻の奥と中耳がつながり鼓膜が不安定な状態になるため、耳が詰まったような感じがします。また、自分の声や呼吸の音が響いたりするようになります。
自分でできる改善方法は、前かがみになったり、横になったりすることです。
治療方法は、こうした方法で自然治癒とするところですが、重症化した場合は、耳管開口部に注射をし膨張させて開いた部分を狭くする方法や、薬を噴霧し炎症をおこすことにより粘膜が腫れることによって耳管を狭くするという方法もあるようです。
しかし、最近では、漢方薬「加味帰脾湯(かみきひとう)」での治療も一定の効果を認められており、治療に使われているようです。
ひとつだけNG行為は、鼻をすすることです。耳垢がたまり炎症がおこりやすくなります。
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