逆流性食道炎とは、最近はCMなどでも知られるようになったかとは思いますが、当人にとっては本当につらい病気です。
つねに胃のもたれ感、吐き気などがあり、日常生活にも支障がでてきます。
今回は逆流性食道炎になった場合に、自分自身で気をつけて改善できることがないかを調べてまとめました。
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逆流性食道炎ってどんな病気?原因
食道と胃のつなぎ目である「噴門(ふんもん)」という場所にある「下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)」という筋肉がゆるんでしまうことが原因であるとされています。
本来閉じているべきはずの「下部食道括約筋」がゆるんで開いているため、胃酸が食道まで逆流してしまうのです。
また、老化や肥満による蠕動運動(ぜんどううんどう)の低下により、あがってきた胃酸を押し戻す働きが低下していることも原因のひとつと考えられています。
症状は?
・胸焼け、吐き気
・むかつき
・食道のあたりが痛む
・胃が重い
・胃が痛い
・のどがつかえる感じがする
・呑酸(どんさん)
*口の中に酸っぱい水のようなものが上がってくる感じがすることをいいます
・食べ物がのみこみづらい
・のどに異物感があるような感じがする
・口臭がきつくなる
などがあります。
食道の炎症を繰り返し、食道の粘膜がいびつな形となってしまい、食道としての通り道が狭くなるために食べ物が飲みこみづらい、のどがつかえるような症状がおこります。
また、胃から上がってきた胃酸が原因で喉に炎症が起きイガイガ、ひりひりしたり、あがってきた胃酸によって口臭がきつくなることもあります。
検査方法は?
バリウムを飲んで行う胃透視検査ではなく、内視鏡(胃カメラ)による検査を行います。
一昔前の胃カメラの検査というと、麻酔をするとはいえ、口から細い管状のカメラを入れていたため、非常につらい検査でしたが(私も何度もやりました(泣))、最近では、鼻から細い管状のカメラを入れる検査が主流になってきているようです。口から入れられるより、だいぶ楽になりました。
逆流性食道炎の治療方法
市販薬もいろいろでていますが、なかなか根本から改善できるというものではないようです。逆流性食道炎は病院にいって治療しましょう。
消化器内科、内科、胃腸科などに受診しましょう。
病院では薬物療法が主になりますが、外科手術(腹腔鏡手術)を行う場合もあるようです。
(病院での薬物治療の例)
1.胃酸分泌抑制剤
代表的なものに
プロトンポンプ阻害剤(PPI)
H2ブロッカー
などがあります。
なかでも、プロトンポンプ阻害剤(PPI)は、最も強力な胃酸分泌抑制剤です。
逆流性食道炎は再発率がとても高い病気なので、途中で薬をやめてしまうとすぐに症状が再発してしまいます。薬はほとんど一生飲み続けることになります。
2.制酸剤
胃酸を中和し、胃酸分泌抑制剤と併用して使われることが多いようです。
3.消化管運動機能改善剤
食道の運動機能をよくして、逆流してきた胃酸を押し戻したり、胃の運動機能をよくすることにより胃から適切に排出する働きを高めます。
逆流性食道炎を放置しているとガンになる可能性も!
食道の粘膜の組織が胃の粘膜に似た組織にかわってしまう「バレット食道」という状態になると、食道がんになる危険性があります。
食道に胃酸が逆流することをくりかえしているうちに、食道の粘膜の細胞が「自分は胃なんじゃないか?」と勘違いして胃の粘膜へと変化してしまう現象です。
このように細胞に異変がおきるということは、がん細胞(食道がん)へも異変していく可能性をはらんでいるのです。
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逆流性食道炎の自分でできる改善方法
食生活の見直し
脂っこいものは控える
脂肪分は食道の筋肉をゆるめるホルモンが分泌されるためです。
タンパク質多いものと消化の悪いものは控える
タンパク質と消化の悪いものは胃酸を増やしたり胸焼けを助長します。
アルコールとコーヒーとたばこ
胃酸の分泌を増やし食道の筋肉をゆるめてしまうので適度な量におさえましょう。
自分の胃もたれする食べ物を把握する
胸焼けする食品は人によって違いがあるので、自分自身で気づき把握しておくことが大切です。
食べ過ぎ飲み過ぎ早食いをしない
食べ過ぎると空気も一緒にたくさん胃に入り込み、げっぷがでやすくなり、げっぷと一緒に胃液も逆流してしまうからです。
(胃腸によい食材)
牛乳→胃の粘膜を保護するはたらきをしてくれます。
キャベツ→胃壁の粘膜を丈夫にしてくれます。市販薬の「キャベジン・コーワ」に入っているMMSCという成分は、荒れた胃の粘膜を整える作用があり、もともとはキャベツから発見されたものだそうです。
漢方
漢方薬を飲むことによって胃や食道を丈夫にし、自然治癒力を高めるという目的で使います。
有名なもので
があります。
のどのつかえ、吐き気、胃炎などに効果があります。
ストレスを上手に解消する
「ストレスで胃が痛くなる」など聞いたことがあると思いますが、それほど「ストレス」と「胃」は密接に関係しています。ストレスによって胃酸がですぎてしまい胃の粘膜を傷つけることにつながります。
ストレスをため込みすぎないように、上手に切り替え、息抜きすることが大切です。
食後すぐに横にならないようにする
胃液が逆流しやすくなります。
また胃がもたれやすい人は、横になる時はできるだけ、体の左側を下にして寝るとよいです。
少しだけ胸から頭にかけてクッションなどで高くして寝るとさらに効果的です。
姿勢をよくする
姿勢が悪い(前かがみの体勢)と胃の入り口部分が、下に向いてしまい、胃酸が逆流しやすくなります。猫背に気をつけ、意識して姿勢を正しましょう。
食後にガムをかむか白湯を飲む
ガムをかむとたくさん唾液がでるので、もし胃酸が逆流しても唾液によって中和することができます。
また、食後に白湯を飲むことも胃酸を薄める働きがあります。
特に食後1~2時間は逆流が起こりやすいのでおすすめです。
適度な運動をする
運動によって横隔膜を鍛えることによって胃の上部を鍛える効果が期待でき、胃酸の逆流を防ぐと考えられております。
ツボをおす
食欲不振、消化不良など、消化器疾患に効果があります。
胃の不快感、吐き気などに効果的です。
胃のむかつきや吐き気をおさえるのに効果的です。
腹式呼吸
横隔膜にも「噴門」を締める働きがあるため、腹式呼吸を練習して横隔膜を鍛えることも胃酸の逆流を抑える効果があるといわれております。
こちらの動画を参考に腹式呼吸を練習してみてください。
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