毎年冬になると、突然の吐き気・嘔吐に見舞われ、病院に行くと「お腹の風邪だね」と言われることがあります。
そもそもなんで「お腹の風邪」なのでしょうか?普通の風邪とくらべたら、せきや鼻水などはでないからでしょうか?
今回は、お腹の風邪(胃腸風邪)についてまとめました。
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お腹の風邪(胃腸風邪)とは?
お腹の風邪(胃腸風邪)の正式名称は「ウィルス性胃腸炎」です。
風邪のように人にうつるおそれがあることからこのような俗称がついたようです。
お腹の風邪(胃腸風邪)と食あたり(食中毒)は似た症状だけど違う
お腹の風邪も食あたりも同じ感染性胃腸炎のことなのですが、
感染性胃腸炎には大きく分けて2種類あります。
1.ウィルス性胃腸炎(お腹の風邪または胃腸風邪)
ウィルスに感染することによる胃腸炎で、主に冬場に流行するノロウィルス、ロタウィルス、腸管アデノウィルスなどのことです。
通称「お腹の風邪」「胃腸風邪」といわれております。
2.細菌性胃腸炎(食あたりまたは食中毒)
細菌に感染することによる、主に夏から秋にかけて流行する食中毒感染によっておこる胃腸炎です。
カンピロバクター、腸炎ビブリオ、腸管出血性大腸菌(O157など)、サルモネラ菌、ウェルシュ菌、リステリア菌、黄色ブドウ球菌など。
食中毒についてはこちらの参考記事もあわせてごらんください
「食中毒の症状~カンピロバクター~鶏肉は中まで火を通すこと」
「食中毒に感染した時に検査は必要?外食先へ請求できる場合も」
胃腸風邪の感染経路
接触感染
ほとんどはこちらの接触感染によってうつります。
感染者の嘔吐物や下痢の処理の際などでウィルスが手につき、その手で触った物を介して、手指から口の中にウィルスが入ることによって感染することをいいます。
空気感染
感染者の嘔吐物を長時間放置しすると、空気中に飛沫が舞い、それを吸い込んで感染することもあります。
胃腸風邪の潜伏期間と症状
(潜伏期間)
ノロウィルス:1日~2日
ロタウィルス:1日~3日
腸管アデノウィルス(40型・41型):3日~10日
(症状)
・発熱
・嘔吐
・下痢
・めまい
・脱水症状
など
(治るまでの期間)
1.潜伏期間:約2~3日
2.嘔吐と発熱:約1日~2日
3.下痢:約2~3日
*ウィルス性の便が出る期間は約2週間程度です。
*体調によって個人差がありますがだいたいの目安です。
*1~3まではだいたい順番でくる場合が多いです。
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胃腸風邪の対処法
残念ながら胃腸風邪(ウィルス性胃腸炎)に効く薬はありません。よって対症療法となります。
嘔吐や下痢によって脱水症状がおこった時は、点滴処置をされる場合もあります。
吐いた直後は飲食は控える
吐いた直後は少なくとも、2時間以上は飲食を控えましょう。
水分補給・栄養補給をしなきゃと、無理に飲んだり食べたりすると、またすぐに吐いてしまうこともあるので、胃がからっぽになり、数時間経つまで何も口に入れないようにしましょう。
横になって休む
吐いたあとは疲れます。また微熱がでる場合もあるので、できる限り、横になりゆっくり休みましょう。そして起きたら、水分補給からはじめるとよいでしょう。
水分補給をする
胃を空っぽにするために数時間も水も飲めないのはつらいことですが、吐いた直後から水をガバガバ飲むと水でも吐きだしてしまう場合があります。
全部吐ききって胃が落ち着くまで休み、少なくとも2時間以上経ってから水分補給を始め、吐かなければ30分~1時間間隔で2~3回くりかえし、様子をみながら徐々に水分補給をすすめていくとよいです。
水でもよいのですが、飲むタイプの点滴「OS1」などの経口補水液を少量ずつ口に含ませるようにして飲むとよいでしょう。
子どもはOS1の味を嫌がり飲まないこともあるので、アクアライトにしてもよいですね。
すぐに購入できない場合などは、自宅で簡単に経口補水液を作ることもできますよ。
経口補水液の作り方
水500ml(500mlのペットボトル1本分)
砂糖 大さじ2杯
塩 小さじ1/4杯
計量スプーンがない場合は
大さじ→カレースプーンくらい
小さじ→ティースプーンくらい
小さじ1/4→ひとつまみくらい
とおぼえておくとよいでしょう。
このままでも効果はあるのですが、子どもの場合おいしくないと飲んでくれないので、レモン汁(ポッカレモンなど)やグレープフルーツの汁などを入れてひと工夫してあげると飲みやすくなり、さらにクエン酸により疲労回復効果と吸収力もアップします。大さじ1杯くらい入れるとよいでしょう。ただひとつ注意点はレモン汁などクエン酸入りの経口補水液を携帯するさいにステンレス製の魔法瓶タイプのものに入れるのは避けましょう。そして作り置きせずにその日のうちに飲みきってしまうか残っても次の日は新しいものを作るようにしてくださいね。
引用元:からだポジティブ「子どもが嘔吐した時には水分補給が大事」
下痢止めと解熱剤はむやみに飲まないこと!
体は嘔吐と下痢によってウィルスを外に出そうとしています。
下痢止めを飲むとウィルスが体の中に溜まってしまい治りが遅くなってしまいます。
また、発熱することで体はウィルスと闘っているので、解熱剤はむやみに使わないほうがよいといわれております。
下痢止めと解熱剤の使用については必ず医師の指示をあおぎましょう。
胃腸風邪の時の食事のタイミング
胃腸風邪になった時は、上記にもあるように、胃を空っぽにする時間が必要で、水分補給から徐々にはじめ、消化のよいものから徐々に食事を通常に戻していきます。
食べ物もやわらかいものから徐々に通常の固さに戻していくとよいでしょう。
「今出ている便の固さに合わせる」というのが目安になります。
例えば、
1)水便がでているうちはOS-1(常温の状態で)などの経口補水液(子供ならアクアライト)を5分か10分おきに飲みます。
ごくごく飲まず口に含ませるようにして(飲む点滴なので)水分補給のみおこないます。
↓
2)ポタージュスープ(緑黄色野菜などの)
↓
3)おもゆ
↓
4)すりつぶしたかぼちゃやにんじん
↓
5)すりおろしたりんご
↓
6)くたくたに煮込んだうどん
↓
7)おかゆ
など、赤ちゃんの離乳食のようにすすめていくとよいですよ。
胃腸風邪の時にNGな食べ物
・脂肪分の多いもの(揚げ物など)
・糖分の多いもの(お菓子など)
・香辛料が多く入ったもの(カレーライス、唐辛子の入った料理など)
・刺激の強い野菜(にんにく・にらなど)
・柑橘系の果物(グレープフルーツ、レモン、オレンジなど)
・果汁ジュース・炭酸飲料
・乳製品(牛乳・ミルクなど)
・食物繊維(ごぼう、芋、きのこなど)
・冷たいもの
柑橘系果物も胃を刺激し、吐き気を助長してしまうので、感染性胃腸炎にはNGです。
また、ヨーグルトは食べるタイミングが大事です。
発症直後はヨーグルトに限らず何も胃に入れないほうがいいのですが、吐き気・嘔吐症状がおさまり、水分補給と食事ができるまで回復したら、ヨーグルトを食べてももよいでしょう。ヨーグルトに入っている乳酸菌が善玉菌として働き、腸の回復に貢献してくれます。
登校(園)・出勤はいつからしてもいいの?
ウィルス性胃腸炎は学校保健法において「学校感染症第三種・その他の感染症」という位置づけとなっており、特に、出席停止期間が明確に定められているというわけではなく、学校などの判断に委ねられているのが現状です。
さらに、乳幼児園医協議会では「下痢が治まり、全身状態が良ければ登園可」となっております。
一般的には、発熱→嘔吐(吐き気)→下痢という順番でくる場合が多いので、下痢が治まれば登校(園)・出勤は可能ということになります。
しかし、学校に通っている子供が感染した場合は、集団感染を防ぐ意味でも学校にきちんと報告したほうがよいでしょう。場合によっては学級閉鎖が行われることもあります。
大人の場合も同様、集団感染防止のためにも出勤するタイミングは職場の指示を仰ぎましょう。
引用元:からだポジティブ「ノロウィルスの潜伏期間は人にうつる?食事はいつから?」
胃腸風邪を予防するためには?
1.消毒液を持ち歩く(次亜塩素酸水・ノロキラーS)
ノロウィルスとロタウィルスは普通のアルコール消毒液では消毒しきれず、次亜塩素酸ナトリウム系の消毒液と熱湯消毒(加熱処理)が有効です。
「次亜塩素酸水・ノロキラーS」は、物でも手指でも、消毒できるので、冬の流行時期は、おうちでも外出先でも、トイレの前後や食事の前に消毒をおこなうとよいですよ。
食品添加物から作られていてお肌にやさしく、手指の消毒もできるので安心です。
*塩素アレルギーの方は、肌荒れをおこす可能性がありますので注意書きをよく読んでからご使用ください。
2.二枚貝(特に牡蠣)を生で食べることは控える
新鮮な生ガキは本当においしいものですが、ノロウィルスのリスクも避けられません。
冬場のノロウィルスの流行時期はできるだけ、生ガキは控えることをおすすめします。
また、ノロウィルスは85℃以上で1分以上の加熱をすることで死滅しますので、加熱調理したものを食べるようにするとよいでしょう。
3.嘔吐物や下痢などを処理する際はマスクと手袋を!
感染経路の多くは接触感染(経口感染)ですので、嘔吐物の処理や下痢のオムツ替えなどをする際は、必ず使い捨ての手袋をしましょう。そしてマスクもつけて、処理が終わった際には、マスクも手袋は捨て、着ている服はできれば熱湯消毒かハイター(次亜塩素酸ナトリウム)で消毒してから洗濯しましょう(色落ちには気を付けてくださいね)
4.空気中のウィルスを除去する
「大幸薬品・クレベリン」を使用すると、空気中のウィルスを除去してくれます。
おうちでも、外出先でも気軽に使えるように、置き型タイプ、持ち運び可能なペンタイプ、スプレータイプなどさまざまありますので、用途によって使い分けるとよいでしょう。
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