食中毒といえば夏というイメージがありますが、秋にも冬にも食中毒はおこり油断できません。自分の不注意でなる場合もありますが、外食先での食中毒は防ぎようがないですよね。
今回は食中毒の種類と検査についてまとめました。
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食中毒の種類いろいろ
食中毒は大きく分けて、夏場に多く発生する「細菌性」のものと、冬場に多く発生する「ウィルス性」の2種類があります。
「夏場の細菌性食中毒」
・黄色ブドウ球菌:主な原因食品→おにぎり、弁当など
・カンピロバクター:主な原因食品→加熱不足の鶏肉など
・腸炎ビブリオ:主な原因食品→生の魚介類、刺身など
・サルモネラ菌:主な原因食品→卵、マヨネーズなど
・ウェルシュ菌:主な原因食品→大量調理されたカレー、仕出し弁当、缶詰など
・リステリア菌:主な原因食品→乳製品、ソフトチーズなど
・腸管出血性大腸菌(O157):主な原因食品→加熱不足の牛肉や内臓、生水など
・セレウス菌:主な原因食品→作り置きのチャーハンや炊き込みご飯など
・ボツリヌス菌:主な原因食品→びんづめ、缶詰、保存食品など
・赤痢菌:主な原因食品→海外の生水、寿司など
・コレラ菌:主な原因食品→生水、加熱不足の魚介類など
「冬場のウィルス性食中毒」
・ノロウィルス:主な原因食品→生のカキなどの二枚貝
・ロタウィルス:主な原因食品→生のカキなどの二枚貝
・A型肝炎ウィルス:主な原因食品→海外の生水、カキなどの二枚貝
食中毒の検査方法
病院での検査方法
病院はできれば消化器内科がよいですが、普通の内科でもかまいません。
1.病院では主に問診を重要視します。
・食事の内容
・食事をした時期(細菌やウィルスによって潜伏期間が違うので)
・旅行(特に海外旅行をしたかどうかなど)
・ペットは飼っているか?
・家族など同じ食事をした人の状況
・調理をした人の状況
・現在の症状
などを聞かれます。
検査をしても結果がでるまでに1週間ほど要するので、治療に専念したほうがよいということになり、検査を行われないことがほとんどですが、
医師が必要と判断すれば、症状から推測される食中毒の原因菌のめぼしをつけ、糞便の検査などをします。外食先での感染が疑わしい場合はこの時点で医師に相談するとよいでしょう。
2.便や嘔吐物によっての検査と、血液検査を行います。
費用:検査自体は¥2000~¥3000ほどですが、診察料、診断書などを合わせると¥5000~¥10000くらいと、病院によってまちまちです。
(ノロウィルスの場合)
集団感染防止のためなど医師が必要と判断した場合のみ検査が受けられます。
・0歳~2歳、65歳以上の人→検査キットによる検査:¥900~¥1800(健康保険が適用)ほど
・3歳~64歳→検査キットによる検査:¥3000~¥6000(自己負担)ほど
保健所での食中毒検査
多くの場合、症状が収まった後でも病原細菌やウィルスが便中に排出されるため、保健所にて検便を行うことによっても食中毒検査を受けることができます。
- 3日前からさかのぼり食事内容
- 検便
- 原因となっている場所(施設)→外食先、家庭など。
これらをもとに検査をします。
検査セットを自分で購入して調べる方法
1.「食品微生物センター」にネットか電話で検査セットを注文する
2.検便検査をする
3.送付先に送る
4.3日前後で検査結果がくる
料金は菌やウィルスによってさまざまですが、
¥1500~¥8700となっており、おおよそ¥3000前後のものが多いようです。
ちなみに¥8700はカンピロバクターの検査の料金です。
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レストランや外食先のお店が原因と考えられる場合
外食先で食べたものが原因で食中毒になったと思いあたる場合もあるかと思います。
その場合、病院での検査結果をもって治療費を請求することもできます。
なかなか勇気のいることだと思いますが、検査で「外食が原因」とはっきりした場合は、今後被害を広げないためにもお店側に報告するという形をとるとよいのではないでしょうか。
さらに、病院での検査結果で食中毒と診断されたら、医師から保健所に報告するということになっています。
余談ですが、私の兄は飲食業界にいるので、食中毒についてたずねてみました。
「”お宅で食事をして食中毒になった”と言われたら、基本的にはお店側が絶対的に弱い立場。治療費負担なども含めて、とにかく誠意をもって対応する。」とのことでした。
以前、全国チェーン店を持つ大手のレストランでもノロウィルスによる食中毒をおこしたことがありましたが、迅速で誠意のある対応をして、逆にその後も高い評価を得るということもありました。
反対に残念ですが、非を認めようとせず不誠実な対応をするお店もあるようです。そんな時のためにも病院で食中毒の検査をすることは意味のあるものになることでしょう。
自宅での応急処置
水分補給
嘔吐や下痢によって脱水症状が起こりやすくなるので水・お茶・経口補水液などを少量づつ飲みましょう。
吐きやすい体勢になる
吐いたもので喉をつまらせないようにするためです。
自己判断で下痢止め&解熱剤を服用しない
嘔吐や下痢、発熱は、細菌や毒素を体から出そうという働きがあるので、下痢止めや解熱剤などを飲んでしまうとお腹の中に細菌や毒素がとどまり、悪さをして症状が悪化する可能性があります。病院では整腸剤が処方される場合が多いです。
食事はいつから?
嘔吐や下痢が続くときは、主に経口補水液で水分補給からはじめるとよいです。
嘔吐がなくなり、回復してきたら徐々に食事をすすめていきましょう。
コツは、今出ている便と同じくらいの固さにして食べることです。
例えば、下痢がひどく水便の時は水分補給、どろどろの便が出るようになったらおもゆなどのように便の固さと合わせるとよいですよ。
自己判断で下痢止めは飲まないようにしましょう
下痢止めを飲んでしまうと、お腹に菌やウィルスがたまってしまい、かえって症状を悪化させることにつながりますので、自己判断で下痢止めは飲まないようにしましょう。
*医師が状況に合わせて下痢止めを処方した場合はその限りではありません。
こんな時はすぐに病院に行きましょう
・血便が出た時
・粘膜の混じった便が出た時
・いつもと違う色の便が出た時(黒、白、緑、赤)
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