ノロウィルスとは冬場の感染性胃腸炎のひとつとして代表的なものです。わが家も、もう一つの冬の感染性胃腸炎であるロタウィルスとともに毎年のようにかかります。子供の場合は突然、嘔吐するので防御しようがない状態です。親も子供も貝類などを食べた覚えがなくても、学校か幼稚園からもらってくるのでしょう。
今回はノロウィルスについてと、潜伏期間の時期には人にうつるのか?などをまとめました。
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流行時期
秋の終わり~冬場(11月~3月)で、1月、2月でピークを迎えます。
感染経路
経口感染:感染者の嘔吐物や糞便などが手指などを介して感染すること
空気感染:処理していない感染者の嘔吐物が乾燥し、空気中に漂うウィルスを口から吸いこむことによって感染すること。
例)
・カキ貝などの二枚貝を食べたことによる食中毒
・学校(幼稚園・保育園)などで子供からの二次感染によるもの
*特に二次感染能力が高いのが特徴です。
潜伏期間
20時間~48時間(1日~2日)
人によっては12時間以内(半日以内)にうつり発症する場合もあり、比較的、潜伏期間が短く、二次感染力も強いため、あっという間に集団感染してしまうこともあります。
潜伏期間中もうつる?
主な感染経路が経口感染によることから、潜伏期間中(1日~2日間)に人にうつる(この期間に考えられるのは飛沫感染だから)ことはほぼないといわれております。
しかし、子供などが潜伏期間中で発症していない状態であっても、学校から手指にウィルスをつけてきた場合などは、接触感染してしまうことがあるので、学校(園)のお友達が発症したという話が聞こえてきたときにはすでに、自分の子供もウィルスをもらってきているかもしれないという意識で気を付けたほうがよいでしょう。
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症状
発熱(37℃~38℃の微熱)
嘔吐
下痢
腹痛
大人も子どももほぼ同じ症状があらわれるのですが、嘔吐・下痢の症状は子供よりも大人のほうが激しく出てつらく感じる人が多いようです。
(ウィルスの特徴)
熱・アルコールに対して強く(アルコール除菌は効果がない)さらに数年に一度新型のウィルスがでることから、免疫もつきにくく、一度かかっても毎年でもかかります。
治療法
ノロウィルスに効く薬もワクチンもないので、対症療法となります。
・嘔吐・下痢による脱水症状がおこりやすくなるので吐き気と嘔吐が落ち着いたら、水分補給を開始しましょう。約2時間~5時間後くらいから、水・麦茶・経口補水液(OS1など)などを少量ずつ回数を多く飲みます。
・水を飲んでもまた吐いてしまうということを繰り返す場合は、病院にて点滴治療をする場合もあります。
・ウィルスを体外に排出するために嘔吐や下痢がおこっているものなので、下痢止めなどで無理に止めてしまうとお腹にウィルスがたまってしまい症状がなかなかよくなりません。自己判断で下痢止めを飲むのは絶対にやめましょう。
・下痢がひどく苦しい時は、病院にて整腸剤を処方してもらえます。
食事はどのようにすすめたらよい?
吐いた後、胃がからっぽになるまで2時間~5時間くらいは飲食を控えます。無理に飲んだり食べさせたりすると、またすぐに吐いてしまうこともあります。
吐いたあとは疲れるのでゆっくり休みます。そして起きたら、水分補給からはじめ、徐々に食事をすすめていくようにしましょう。目安は下記を参考にしてみてください。
食事は徐々に「ふつうに」戻していきましょう
基本の考え方は「今出ている便と同じくらいの固さ」の食事とおぼえておくとよいかと思います。
例)
- 水便のときは経口補水液や味噌汁などの水分を。
- ドロドロのときは、おもゆ、パン粥、とうふ、バナナやかぼちゃ&さつまいもなどの果物や野菜をすりつぶしたものなど。
- 少し固まってきたやわらかい便のときは、おかゆ、煮込んだうどん、白身魚、野菜の煮つけ、鶏ささみをゆでたものなど。
引用元:からだポジティブ「子供が下痢になった時の食事で避けたほうがよい食べ物は?」
二次感染を防ぐためにできること
1.嘔吐物からウィルスが空気中に舞い、それを吸い込むことによる飛沫感染を防ぐためにも、嘔吐物はすぐに処理し、次亜塩素酸ナトリウムの消毒液をかけて消毒する。嘔吐物や糞便の処理後は手洗い・消毒を徹底する。
次亜塩素酸ナトリウム消毒液の作り方
塩素系ハイターかミルトンを使います。ハイターとミルトンは
塩素系ハイター→雑貨品
ミルトン→医薬品
という違いがあります。なので床や物などの消毒にはハイターで作った消毒液。手指など肌に触れる消毒にはミルトンで作った消毒液と使い分けるとよいでしょう。
1.日常の消毒には0.02%(200ppm)次亜塩素酸ナトリウム液(薄め)
塩素系ハイターをペットボトルのキャップ4杯(20ml)に足して水5㍑
または
塩素系ハイターをペットボトルのキャップ1杯(5ml)に対して水を1.25㍑(500mlのペットボトルで2杯+500mlのペットボトルの約半分)
2.ウィルス性の嘔吐物、排泄物による汚染された場所や物の消毒には0.1%(1000ppm)次亜塩素酸ナトリウム液(濃いめ)
塩素系ハイターをペットボトルのキャップ2杯(10ml)に対して水を500mlのペットボトル1本分
3.手指を消毒するための次亜塩素酸ナトリウム液
ミルトンを20倍に薄めて霧吹きなどに入れる
*ペットボトルのキャップ1杯=5ml
*1.2.3.のどれも日持ちしない(効果が薄れる)ので極力作り置きはしないようにしましょう。
引用元:からだポジティブ「感染性胃腸炎がうつる原因と治るまでの期間」
2.症状がおさまってもノロウィルスが体に1週間ほどは残っています。ヨーグルトなど乳酸菌を食べると腸内環境のバランスが整い、免疫力がアップし、ウィルスを倒す応援をしてくれます。普段から上手に取り入れていくことをおすすめします。
登校(園)・出勤はいつからしてもいいの?
ウィルス性胃腸炎は学校保健法において「学校感染症第三種・その他の感染症」という位置づけとなっており、特に、出席停止期間が明確に定められているというわけではなく、学校などの判断に委ねられているのが現状です。
さらに、乳幼児園医協議会では「下痢が治まり、全身状態が良ければ登園可」となっております。
一般的には、発熱→嘔吐(吐き気)→下痢という順番でくる場合が多いので、下痢が治まれば登校(園)・出勤は可能ということになります。
しかし、学校に通っている子供が感染した場合は、集団感染を防ぐ意味でも学校にきちんと報告したほうがよいでしょう。場合によっては学級閉鎖が行われることもあります。
大人の場合も同様、集団感染防止のためにも出勤するタイミングは職場の指示を仰ぎましょう。
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