冬になると流行りだす、おなかの風邪「ウィルス性の胃腸炎」ですが、別名「嘔吐下痢症」とも言われていて、嘔吐、下痢などの症状が中心で主に消化器系がやられるのですが、発熱を伴う場合も多々あります。
今回はウィルス性の胃腸炎によって発熱した時に解熱剤を使用してもよいかなどをまとめました。
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ウィルス性胃腸炎とは?
ロタウィルス、ノロウィルス、アデノウィルスなどが原因で、11月~3月くらいまでの主に冬場に多くみられる「おなかの風邪」と言われているものです。
感染経路
接触感染
ドアノブ、電気のスイッチ、電車のつり革、手すり、パソコンのキーボード等の物を介して、手指から口の中にウィルスが入ることをさします。
空気感染
感染者の嘔吐物を長時間放置し空気中に飛沫が舞い、それを吸い込んで感染することなどをいいます。
潜伏期間
ノロウィルス:1日~2日
ロタウィルス:1日~3日
腸管アデノウィルス(40型・41型):3日~10日
症状
・発熱
・嘔吐
・下痢
・めまい
・脱水症状
など
感染から治るまでの期間
1.潜伏期間→約2~3日
2.嘔吐と発熱→約1日~2日
3.下痢→約2~3日
*ウィルス性の便が出る期間は約2週間程度
*体調によって個人差がありますがだいたいの目安です。
*1~3まではだいたい順番でくる場合が多いです。
ウィルス性胃腸炎になった時の対処法
胃がからっぽになるまで時間を空ける
吐いた後は2時間以上は飲食を控えましょう。
水分補給・栄養補給をしなきゃと、無理に飲んだり食べさせたりすると、またすぐに吐いてしまうことがあるので、胃がからっぽになるまで何も口にいれないほうがよいでしょう。
ゆっくり休む
吐いたあとは疲れるのでゆっくり寝ましょう。そして起きたら、水分補給からはじめるとよいでしょう。
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経口補水液を飲ませ水分補給をする
胃を空っぽにするために数時間も水も飲めないのはつらいですよね。
でも吐いた直後に水をガバガバ飲むと吐きだしてしまうことがあります。
全部吐ききって胃が落ち着くまで休み、2時間以上経って少しずつ水分補給をし、吐かなければ30分~1時間間隔で2~3回くりかえし、様子をみながら水分補給を徐々にすすめていくとよいです。
水でもよいのですが、飲むタイプの点滴「OS1」などの経口補水液を口に含ませるようにして飲むとよいでしょう。
ただ子どもの場合OS1の味を嫌がり飲まないこともあるので、代わりにアクアライトを飲ませてもよいでしょう。
自宅で簡単に経口補水液を作ることもできます。
経口補水液の作り方
水500ml(500mlのペットボトル1本分)
砂糖 大さじ2杯
塩 小さじ1/4杯
計量スプーンがない場合は
大さじ→カレースプーンくらい
小さじ→ティースプーンくらい
小さじ1/4→ひとつまみくらい
とおぼえておくとよいでしょう。
このままでも効果はあるのですが、子どもの場合おいしくないと飲んでくれないので、レモン汁(ポッカレモンなど)やグレープフルーツの汁などを入れてひと工夫してあげると飲みやすくなり、さらにクエン酸により疲労回復効果と吸収力もアップします。大さじ1杯くらい入れるとよいでしょう。ただひとつ注意点はレモン汁などクエン酸入りの経口補水液を携帯するさいにステンレス製の魔法瓶タイプのものに入れるのは避けましょう。そして作り置きせずにその日のうちに飲みきってしまうか残っても次の日は新しいものを作るようにしてくださいね。
引用元:からだポジティブ「子どもが嘔吐した時には水分補給が大事」
ウィルス性胃腸炎によって熱が出た場合解熱剤は飲んでもいい?
体は病気への防衛本能として、発熱することでウィルスやばい菌と闘っているので、解熱剤はむやみに使わないほうがよいといわれております。
解熱剤によって病気が治るわけではなく、むしろ急激に体温が下がることにより、体に負担をかけ低体温、ショック、痙攣などの症状を起こしてしまうこともあります。
ただ、首・脇の下・足のつけ根(動脈の通っているところ)を冷やしても、39℃~40℃の熱が下がらず、体も辛く、睡眠や水分もとれないような場合は、かえって体力を消耗することにつながるので、医師から解熱剤を使用するよう指示が出される場合もあります。
いずれにしても、解熱剤の使用については医師の指示をあおぎましょう。
いつから登校(園)・出勤してもいい?
ウィルス性胃腸炎は学校保健法において「学校感染症第三種・その他の感染症」という位置づけとなっており、特に、出席停止期間が明確に定められているというわけではなく「下痢が治まり、全身状態がよければ登校(園)可」ということになっております。
だいたいは、嘔吐・発熱が先にきて、その後下痢になるというパターンが多いので、下痢が治まり体調がよくなった時点で登校(園)・出勤するとよいでしょう。
下痢が続いてる時に無理して登校(園)・出勤すると体調が万全でないため、めまいがしたり治りがかえって遅くなってしまいます。
早く登校(園)・出勤したいからといって、自己判断で下痢止めを飲むのはやめましょう。
おなかの中に菌をためてしまうことになり治りが遅くなってしまうことになります。
下痢で苦しい時は医師に相談すると、整腸剤を処方してもらえるでしょう。(下痢止めと整腸剤は違います)
ただ集団感染のおそれもあるノロウィルスは「病状により学校医その他の医師において感染のおそれがないと認めるまで」の期間、出席停止という措置がとられる場合もありますので、登校(園)・出勤するタイミングは学校または職場の判断と医師の指示に従いましょう。
ウィルス性胃腸炎の予防法
1.手洗い・消毒
塩素系ハイターなどで作った次亜塩素酸ナトリウム消毒液は肌に強いので赤ちゃんの哺乳瓶の消毒に使うミルトンを20倍に薄めて霧吹きなどに入れて手指に吹きかける。水洗いは必要ありません。
2.汚物(感染者の嘔吐物)に触れたものは消毒する
(物の場合)
便座、ドアノブ、手すりなどを、塩素系ハイターで作った次亜塩素酸ナトリウム消毒液を含ませたタオル等で消毒&水拭きする
(手指の場合)
赤ちゃんの哺乳瓶の消毒に使うミルトンを20倍に薄めて霧吹きなどに入れて手指に吹きかける。水洗いは必要ありません。
*ミルトンを20倍に薄めた手指用消毒液は人体に使用できるのですが注意点も多く、あまり体にいいものではないので肌が弱い方は注意が必要です。
3.予防接種を受ける(ロタウィルスのみ予防接種があります)
4.家族に感染者がでた場合タオルなどを分ける
タオルに限らず、体に触れるものはすべて感染者のものとわけるようにしましょう。
お風呂も最後に入ってもらうようにし、浴室も洗剤を使い十分洗い、次亜塩素酸ナトリウムの消毒液をふきかけるなど消毒も徹底しましょう。
次亜塩素酸ナトリウム消毒液の作り方
塩素系ハイターかミルトンを使います。ハイターとミルトンは
塩素系ハイター→雑貨品
ミルトン→医薬品
という違いがあります。なので床や物などの消毒にはハイターで作った消毒液。手指など肌に触れる消毒にはミルトンで作った消毒液と使い分けるとよいでしょう。
1.日常の消毒には0.02%(200ppm)次亜塩素酸ナトリウム液(薄め)
塩素系ハイターをペットボトルのキャップ4杯(20ml)に足して水5㍑
または
塩素系ハイターをペットボトルのキャップ1杯(5ml)に対して水を1.25㍑(500mlのペットボトルで2杯+500mlのペットボトルの約半分)
2.ウィルス性の嘔吐物、排泄物による汚染された場所や物の消毒には0.1%(1000ppm)次亜塩素酸ナトリウム液(濃いめ)
塩素系ハイターをペットボトルのキャップ2杯(10ml)に対して水を500mlのペットボトル1本分
3.手指を消毒するための次亜塩素酸ナトリウム液
ミルトンを20倍に薄めて霧吹きなどに入れる
*ペットボトルのキャップ1杯=5ml
*1.2.3.のどれも日持ちしない(効果が薄れる)ので極力作り置きはしないようにしましょう。
引用元:からだポジティブ「感染性胃腸炎がうつる原因と治るまでの期間」
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