冬場になると流行りだす感染性胃腸炎のひとつであるロタウィルスですが、医師の診断確定のために検査が行われる場合があります。
今回は、ロタウィルスの検査はどのようなものか?また保険は適用になるかなどをまとめました。
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ロタウィルスの感染経路と症状
流行時期
冬から春先(1月~4月くらい)に流行するため冬期下痢症という別名もあります。(嘔吐下痢症、小児仮性コレラ、白痢とも呼ばれています)
生後3か月未満の赤ちゃんはお母さんからもらった免疫があるため、感染する確率は低いといわれております。
主に、5歳以下の乳幼児がかかりやすいといわれておりますが、家族の中に感染者が一人でもでるとあっという間に広がってしまうので、二次感染など、大人も気をつけなくてはならない病気です。
感染経路
・感染者の便や嘔吐物に触れた人が手や物を介して、口からウィルスが入り感染する経口感染
・嘔吐物が触れた場所を消毒することなく乾燥させると、残っているウィルスが空気中に舞い吸い込むことによる空気感染
潜伏期間
1日~2日(48時間以内)
症状
1.激しい嘔吐(1日~2日)
2.激しい下痢(白色水様性下痢といわれる白っぽい水様便が 5日~7日)
3.37℃前後の微熱(1日~2日)
重症化すると
・脳炎、脳症
・けいれん
をおこす場合もあります。
ロタウィルスに感染した約10%の乳幼児が重症化するといわれております。
特に気を付けたいのは、何度も嘔吐・下痢を繰り返すことによる脱水症状です。
ロタウィルスの検査の必要性
ロタウィルスは症状だけでは判断がつかないことや、子供がロタウィルスに感染した場合、胃腸炎によって脱水をひきおこし重症化するおそれがあること、または家族の感染状況などを、医師が総合的に診て、検査の必要性があると認められた場合に行われます。
ロタウィルスの検査ってどんなことをするの?
最もポピュラーな検査方法は、便を採取してウィルスを調べる、迅速診断検査(イムノクロマト法)というものがあります。
病院の検査キットにて少量の便で検査を行います。
15分~20分ほどで結果がでて、健康保険も適用されます。
メリット:結果が早く出る
デメリット:感染していても陽性反応がでない場合もある
治療法
ロタウィルスに効く特効薬はないため、対症療法(症状を和らげる治療)となります。
1.整腸剤
下痢がひどい場合は整腸剤が処方されることもあります。
*下痢止めはおなかの中に菌がたまってしまいウィルスが排出されずにかえって長引くことになるので有効ではありません。
整腸剤と下痢止めは違いますのでご注意ください。
2.水分補給
激しい嘔吐と下痢によって脱水がおきます。病院では点滴治療をする場合もあります。
ある程度吐ききって胃を空っぽにして1時間ほどたってから、少しづつ水分補給をはじめましょう。
お水でもよいのですが、市販の経口補水液(OS-1や、アクアライト)を口に含ませるようにして飲ませていくとよいでしょう。
簡単に経口補水液を手作りすることもできます。
~経口補水液の作り方~
・水500ml(500mlのペットボトル1本分)
・砂糖 大さじ2杯
・塩 小さじ1/4杯
・レモン汁(ポッカレモンなど) 適量
(計量スプーンがない場合は)
大さじ→カレースプーンくらい
小さじ→ティースプーンくらい
小さじ1/4→ひとつまみくらい
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二次感染を防ぐためには
ロタウィルスに効く治療薬がないため、徹底的に二次感染を防ぐ必要があります。
ロタウィルスにアルコール除菌は効果はありません。
次亜塩素酸ナトリウムの消毒液を使うことで消毒できます。
嘔吐した場所を拭いただけではウィルスが残っていて、乾燥すると空気中に舞い、空気感染してしまいますので、嘔吐物や排泄物(オムツやトイレ)などの処理には次亜塩素酸ナトリウムを使って消毒することをおすすめします。
次亜塩素酸ナトリウムの消毒液は市販の塩素系漂白剤で作ることもできます。
次亜塩素酸ナトリウム消毒液の作り方
塩素系ハイターかミルトンを使います。ハイターとミルトンは
塩素系ハイター→雑貨品
ミルトン→医薬品
という違いがあります。なので床や物などの消毒にはハイターで作った消毒液。手指など肌に触れる消毒にはミルトンで作った消毒液と使い分けるとよいでしょう。
1.日常の消毒には0.02%(200ppm)次亜塩素酸ナトリウム液(薄め)
塩素系ハイターをペットボトルのキャップ4杯(20ml)に足して水5㍑
または
塩素系ハイターをペットボトルのキャップ1杯(5ml)に対して水を1.25㍑(500mlのペットボトルで2杯+500mlのペットボトルの約半分)
2.ウィルス性の嘔吐物、排泄物による汚染された場所や物の消毒には0.1%(1000ppm)次亜塩素酸ナトリウム液(濃いめ)
塩素系ハイターをペットボトルのキャップ2杯(10ml)に対して水を500mlのペットボトル1本分
3.手指を消毒するための次亜塩素酸ナトリウム液
ミルトンを20倍に薄めて霧吹きなどに入れる
*ペットボトルのキャップ1杯=5ml
*1.2.3.のどれも日持ちしない(効果が薄れる)ので極力作り置きはしないようにしましょう。
引用元:からだポジティブ「感染性胃腸炎がうつる原因と治るまでの期間」
ロタウィルスの予防接種について
ロタウィルスのワクチンは経口接種といって、ウィルスの毒性を減らしたワクチンを口から飲ませるもので、2種類あります。
ロタリックス
・接種回数
2回
・接種時期
生後2か月以降~生後6か月まで(1回目と2回目は1カ月の間隔をあける)
・副作用は
咳・鼻水・発熱・下痢・嘔吐・ぐずり(不機嫌)などの症状がでる場合がありますが、
目立った副作用がでないことがほとんどだといわれております。
・費用
1回につき¥12000~¥14000(医療機関によって異なります)これを2回接種します。
ロタテック
・接種回数
3回
・接種時期
生後2か月、生後4か月、生後6か月
・副作用
発熱・下痢・嘔吐・ぐずり(不機嫌)などの症状がでる場合がありますが、目立った副作用がでないことがほとんどだといわれております。
・費用
1回につき¥7000~¥9000(医療機関によって異なります)これを3回
*効果に差はないという医師もおりますが、3回接種する分ロタテックのほうが若干効果が高いという医師もおります。
*ロタウィルスのワクチンは生後6か月までに接種し終えることが望ましいとされています。(生後6か月以上になると腸重責をおこす可能性がでてくるため)
*以前は副作用として腸重責(ちょうじゅうせき)を起こす可能性があるといわれていましたが、現在は生後6か月以内に接種すれば、腸重責をおこす可能性はほとんどないといわれております。
引用元:からだポジティブ「ロタウィルスの予防接種は何歳まで受けられる?副作用は?」
登校(園)はいつからできる?
ロタウィルスは「感染性胃腸炎」として、学校保健法においては学校感染症の中の「その他の感染症」という位置づけで、
「下痢・嘔吐の症状が軽減し、全身状態がよければ登校(園)可能」とされています。
下痢や嘔吐の症状がおさまり体調がよくなった時点で登校(園)してもよいということになっております。
しかし、体調が回復しても約10日くらいは便からウィルスが排出され続けますので、オムツ換えの後始末や手洗いは十分に行いましょう。
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